黒絵しーな
今日は「トレス(トレース)」についてです!
トレスといっても使い方によって意味合いが大きく変わるのですが・・・
今回でいうところの「トレス」はイラストの練習に関する「トレス」を指すことにします(ӦvӦ。)
トレスのやり方
「トレス」とは、既存のイラストの上に紙を置いて、上からなぞる行為を指します。
具体的には・・・
デジタルの場合なら、写したい画像を準備して、その上にレイヤーを作ってなぞる。
アナログの場合はちょっと面倒ですが、写したい絵が描かれた(印刷された)紙を用意して、その上に「トレーシングペーパー」を引いて上からなぞる方法があります。
なお、特にアナログでは大事なのですが、写す対象画像は、線がはっきりしているものがおススメです。
例えばモノクロの漫画とか。
もしお金に余裕があるなら「ライトボックス」というものを使えば、より線を確認しやすくなるのでおススメです。
トレスのいいところ
テクニック面
イラストを描く理想形態は、「何も見ないで自由に描くこと」ではあります。
ですが、最初から上手く描ける人は少ないですよね!
それは、描きたいキャラクターの顔や髪型、服装などが暗記できていない、という以前に、そもそも「人を描くこと」自体に慣れていないからじゃないでしょうか!
はい、そこで「トレス」の出番です!\( ‘ω’)/
トレスをすることで、手に「身体を描く」のに慣れさせるのです。
また、トレスをすることで、たくさんの発見があると思います。
「百聞は一見にしかず」、という言葉がありますが、「まさに百見は一トレスにしかず」。
見るのと描くのとでは大違い。
ああ、身体ってこう描くんだ、ということが分ってきます。
そうやって「手」と「頭」に身体を描く行為をインプットさせていくのです。
そして、慣れてきたら、次のステップ「模写」にチャレンジしていくことになります。
メンタル面
レベルが上がって、模写だったり実際にキャラクターを描くようになると思いますが、やはり最初はいろいろ壁にぶつかると思います。
思い通りに描けないと落ち込みますよね。
それがずっと続くと自信を失ったりスランプに陥ったりします。
それはなかなか辛いものです。
はい、そこでトレスの出番です!\( ‘ω’)/
トレスで「上手く描けない」ということはまずないと思います。
上手描ける、つまり成功体験を小さいながらすることで、だんだんと自信が戻ってきます。
また、つまづいている原因が分かる時もあります。
そうやって急がば回れ的に、いったん基礎に戻るのをオススメします。
トレスの扱い方の注意点
さて、ここまで「トレス」の良い面について紹介してきました。
ただ、ちょっとした注意事項があります。
たいていの人は言わなくても大丈夫だとは思いますが、念のため…!
自慢はしない方がいい
まず、トレスができたことを自慢するのはやめよう、ということがあげられます。
最初のうちは、上手に描けると「やったぜ!」という気分になると思いますが、トレスは基礎の基礎であり、誰でもできることだから、自慢にはなりません。
Twitterなどで投稿してはいけないわけではないですが、そこは心の中でガッツポーズをする程度に留めておいた方がいいかもしれません。
特に、トレスは「コピー機でコピーする」ほど正確ではないにしても「複製」する範疇に入るという見方もあるので、そうなると著作権表示の「無断で複製することを禁止します」に引っかかる可能性もあるのです。
上手にトレスできればできるほど。
まぁ実際に訴えられることはまず無いとは思いますし、勉強のためにトレスすることは悪いことではないと原作者さんも分かっているので、黙認されるとは思いますが・・・(◎_◎;)
パクるのはやめよう
トレス関連で一番問題となりやすいのが、いったんトレスしたものに顔や服装を差し替えて自分の作品のように振る舞うことです。
差し替えているから、その辺りはオリジナル性はあるとは言えますが・・・
ポーズを真似するのはいいにしても、そっくりコピーするのはちょっと微妙。
特にそれをプロがやって、それを見抜いた人たちから非難されて炎上、ということも目にしたことがあります。
コピー(トレス)するのと、参考にする(真似をする)というのは紙一重だとは思いますが・・・自分流にアレンジして描くことを心がけるのが良いと思います。
まとめ
今回の話をまとめると・・・
- 全くの初心者は、トレスをして描くのに慣れると良い
- トレスという小さな成功体験をすることで自信を取り戻すことができる
- トレスはあまり自慢にはならない
- トレスしたものを自分の作品として扱うのは避けるべき
でした!
最後に
イラストの上達には「模写」がとても重要です。
ただ初心者がいきなり「模写」をするのはハードルが高く、つまづくことが多いので、まずはトレスという低いハードルで練習するのが良いと思います。
それでは、今回はこの辺りで!